丹原高校野球部を語る上で抜きにできないのが
「天敵」ともいえる宇和島東の存在です。

1990年度以降の成績
井上監督の就任以来、着実に力をつけ愛媛2強に迫る強豪に成長した丹原高校野球部の成績を以下に記します。弱小野球部がよくぞここまで強くなったものですね。90年以前は「とってもヘロヘロなチーム」だったと関係者の方から聞いたことがあります。
※通算成績は90年度から01年度秋季大会までの期間を対象としたものであり、秋季・春季・夏季の公式戦の他に東予大会の成績も含まれています。
■通算成績:102勝45敗
■勝率:
0.694
■対戦校別成績表へ
 
天敵・宇和島東との全対戦成績
90年以降丹原高校が強くなっていく過程で、丹原の前に大きく立ち塞がったのが「牛鬼打線」で有名な宇和島東。対戦成績は2勝5敗と負け越しています。しかも7戦のうち6戦が準決勝での対戦。丹原の四国大会や甲子園大会へのメジャーデビューをことごとく阻んだ天敵ともいうべき存在。いずれの試合も熱きバトルが繰り広げられたようです。以下に90年以降の天敵・宇和島東との熱きバトルの歴史を記します。
↓次の項目で、もっとも印象に残っている98年度夏季大会準決勝の試合を回顧してみました。

宇和島東は丹原にとっては前面に聳える大きな壁だった・・・

対戦成績:2勝5敗 備考
■1995年度夏季大会準決勝:○ 4-3 宇和島東
■1997年度夏季大会準決勝:● 2-5 宇和島東
■1998年度秋季大会準決勝:● 7-9 宇和島東
■1998年度夏季大会準決勝:● 3-4 宇和島東
■2000年度春季大会準決勝:● 0-6 宇和島東
■2000年度夏季大会準決勝:○ 8-2 宇和島東
■2001年度秋季大会決勝:● 4-6 宇和島東
決勝で松山商業に敗退
ノーシードからの快進撃だったが・・・
長打が飛び交う乱打戦となったが・・・
もっとも印象に残っている試合
散発3安打での完敗
決勝で今治西を下し甲子園初出場!
戦力的には優っていたが・・・

■各試合のバッテリーと長打記録を掲載したイニングスコア一覧へ■

回顧・1998年度夏季大会準決勝

数々の名勝負を繰り広げてきた丹原VS宇和島東戦ですが、もっとも印象に残っているのが98年度夏季大会準決勝。この試合は、局面が二転三転する緊迫した展開。結局、勝負強さで優る宇和島東が丹原に逆転勝ちし決勝進出。決勝でも、今治西を下し甲子園出場を決めました。この年度のチームは、今年度(01年度)のチームと比較すれば総合力では明らかに劣っています。しかし、投打に魅力いっぱいそして何よりも元気のあるチームでした。
↓次の項目で、この試合のクライマックス・7回の攻防を記します。

天敵をあと一歩まで追い詰めたが・・・

T N 1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回
丹原高校 1 0 0 0 0 0 2 0 0 3
宇和島東 0 0 0 0 2 0 2 0 X 4

■この試合の詳細スコアブックへ■

クライマックス・7回の攻防
宇和島東の1点リードで迎えた7回に試合が大きく動きました。両校の死力を尽くした攻防は見応えがありました。その攻防の模様を以下に記します。余談ながら、7回表の丹原の攻撃でのハプニングについてひとくさり。2アウトランナー2塁・3塁の場面で茎田君がレフト前にヒット。3塁ランナーは生還。2塁ランナーの阿部君と3塁手が交錯して丹原側は「走塁妨害」を主張しましたが、抗議は認められませんでした。私は審判の判断は適切だったと思っています。
↓次の項目で、この試合の明暗を分けた阿部君と成見君の8球の対決内容を記します。

試合が大きく動いた・・・

表:丹原高校攻撃 裏:宇和島東攻撃
2点を入れ逆転3−2とする
5番:青野−二塁打・暴投で生還
6番:近田−投前バント野選・安打で生還
7番:越智哲−三振(1アウト)
8番:阿部−四球
9番:守口−投前バント(2アウト)
1番:茎田−1点タイムリー安打・二盗
2番:越智大−遊ゴロ(3アウト)
2点を入れ逆転4−3とする
7番:大星−三振(1アウト)
8番:佐々木−二塁打・安打で生還
9番:近平−四球・安打で生還
1番:宮崎−遊飛(2アウト)
2番:成見−2点タイムリー二塁打
3番:野中−右飛(3アウト)

 

7回裏・阿部君VS成見君の対決
7回表に丹原が2点を入れ逆転。宇和島東1点ビハインドで迎えた7回裏の丹原のピッチャー・阿部君と宇和島東の2番バッター・成見君の対決は手に汗握る対決となりました。阿部君はカーブでカウントを稼ぎ2−0と追い込んだものの、決め球をことごとく成見君にカットされ2−3のフルカウントに。阿部君が渾身の力を込めて投じた8球目はストレート。成見君はストレートを待っていたかのようにジャストミート。打球はレフトを守る真鍋君の頭上を越す2点タイムリー二塁打。結局これが決勝点となりました。
↓次の項目で、この試合で熱投を演じた阿部君の投球内容を記します。

手に汗握る8球の攻防。この対決が試合の明暗を分けた・・・

投球 球種 判定 カウント
第1球
第2球
第3球
第4球
第5球
第6球
第7球
第8球
カーブ
カーブ
ストレート
カーブ
ストレート
カーブ
カーブ
ストレート







2塁打
1−0
2−0
2−1
2−1
2−2
2−2
2−3

(用語説明)S:ストライク,B:ボール,F:ファウルボール

熱投・阿部君の投球内容
ストレートが滅法早く97年度夏季大会準々決勝の西条戦で愛媛の連続三振記録を作った阿部君でしたが、強打が売り物の宇和島東打線には、自慢のストレートを見せ球にしてカーブで打たせて取る苦心のピッチング。いつもはストレートで押しまくる強気のピッチングが身上でしたが、下の表を見ていただければお分かりのようにストレートとカーブの比率がほぼ同じです。配球にいかに気を使っていたかが分かりますね。でも、ナイスピッチングでした。

牛鬼打線に真っ向勝負で挑んだが・・・

■被安打:7
■四死球:3
■奪三振:3
■自責点:4

  1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 比率
投球数 18 11 22 13 18 13 28 12 135
ストレート 12 3 13 9 11 8 16 4 76 56%
カーブ 6 8 9 4 7 5 12 8 59 44%

■阿部君の135球へ■

−最後に−
今後も宇和島東と良きライバル関係を保ちつつ愛媛高校野球界をリードしていって欲しいですね。勿論宇和島東も応援しています。両校とも頑張れ!

 

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