シード校はつらいよ

〜前 説〜

夏の大会が近づいています。多くの地域で、続々と組合せが決定していますが、その組合せ方式は、どの地域でもトーナメントの一発勝負。しかし、最近ではどこの地域でも、その選考方法こそ違え、シード制が採用されています。有力校同士が早い回戦から激突することがないようにと配慮された制度です。その制度の賛否は、人それぞれだと思いますので、それをここで論じようとは思いません。シード権というのは、有力校に与えられた特権つまり権利だと考えられます。権利を行使または主張する為には、義務を履行しなければなりません。これが、人間社会のルールというもの。この人間社会の「権利−義務関係」を高校野球のシード校に置き換えて検証してみたいと思います。

 

 
山口県と愛媛県の1997年度から1999年度までの3年間の選手権大会成績を検証データとしました。

  1. 人間社会の権利と義務
  2. シード校の選出方法とその問題点
  3. シード校の権利と義務

 

3つの検証項目を検証してみました。
人間社会の「権利−義務関係」の3つのパターンと具体例

 

パターン 例・人間の性格 例・プロ野球選手 例・芸能人
1.権利>義務 わがまま・自己中心的・権利ばかり主張する ガルベス(巨人) 中森明菜
2.権利=義務 やることはやるマイペース・飄々としている 元木大介(巨人) 藤村俊二(おひょいさん)
3.権利<義務 男は黙って行動・責任感が強い 石井浩郎(ロッテ) 高倉健

 

山口県と愛媛県を比較してみました。

 

項目 山口県 愛媛県
シード校選出方法 岩柳・防徳・山宇萩・下関の各地区から公式戦勝利数1位校4校を第1シードとし、2位校4校を第2シードとする計8校 監督・部長の投票によって選出された上位4校
長所 選考基準が勝利数という数字であるため、選考過程が明瞭 現場の監督の目で見た真の実力校が選出される
短所 勝利数はくじ運に左右される為、真の実力校が必ずしもシード校となるとは限らない 人間がやることなので、伝統校とか名門とかという実力以外の先入観に惑わされる危惧がある

 

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