シード校の「権利−義務関係」の定義と評価

シード校の「権利−義務関係」を人間社会と同様に、以下の3つのパターンに大別して検証していこうと思います
 
  • 与えられる権利とは−ここではシード権を意味します
  • シード権とは−日程・組合せ上のアドバンテージ(特典あるいは便宜)
  • 義務の履行とは−シード権に見合う最低限の条件(基準)をクリアすること
 
 

パターン

定義

評価記号
1.権利>義務 義務を不履行 ×
2.権利=義務 最低限の義務は果たす
3.権利<義務 義務を完全に履行

 

山口県の第1シード校と第2シード校・愛媛県のシード校毎に、義務履行の最低条件と評価基準を設定しました
 
 
県名 各種シード校

B16以下

B8 B4 準優勝 優勝
山口県 第1シード4校 × ×
第2シード4校 ×
愛媛県

シード4校

×

×

 
 
県名 各種シード校 最低条件 パターン 評価記号
山口県 第1シード4校 ベスト4以上 権利=義務
第2シード4校 ベスト8以上 権利=義務
愛媛県

シード4校

ベスト4以上

権利=義務

 

山口・愛媛両県の各種シード校は、はたしてどれ位義務を履行しているのかをチェック
  • 義務履行率とは
    最低条件(パターン:権利≦義務、評価:○以上)をクリアしたシード高校数÷各種シード高校数×100
  • 実例1
    山口の第1シード校4校中2校が義務履行の最低条件であるベスト4以上に進出した場合、義務履行率は50%となります。
  • 実例2
    山口の第2シード校4校中2校が義務履行の最低条件であるベスト8以上に進出した場合、義務履行率は50%となります
 
 
年度 山口

履行率

愛媛

履行率

1997 第1シード4校 100% シード4校 50%
第2シード4校 50%
1998 第1シード4校 75% シード4校 75%
第2シード4校 50%
1999 第1シード4校 50% シード4校 25%
第2シード4校 50%
2000 第1シード4校 50% シード4校 75%
第2シード4校 25%
通算 第1シード4校 68.8% シード4校 56.3%
第2シード4校 43.8%

シード8校

56.3%
 
山口県の場合、実績によって第1と第2シードの2ランクに分けられている訳だが、そのランク通りの結果が得られた。通算で第1シードの履行率は75%で、第2シードの50%を上回っており、ノーシード校や第2シード校にほとんど敗退することなく、実力通り順当に勝ち上がってきたことの証明だろう。第1シードの履行率75%というのは、1大会で4校のうち3校が準決勝まで勝ち上がってきたということだから、番狂わせの少ない波乱のない大会が多かったと言うことができる。ただ、1999年度のみ第1・第2両シードとも50%と低く、シード校が早い回戦で敗退するなど波乱の多い大会だったようである。もうひとつの特徴は、第2シードの履行率が3年間すべて50%であること。毎年、3回戦までに4校中2校がノーシード校に敗退していることになる。愛媛の場合、シード校の履行率が、通算で山口の第1シード校より25pt低い50%。4校中2校が準々決勝までにノーシード校に負けていることになる。この原因は、愛媛のシード校が弱いということではなく、抽選方式の違いとシード校数(山口8・愛媛4)の違いによるものだと考えられる。山口の周防・長門部毎の地区別抽選とは違い、全県抽選であることとシード校数が山口の半数である為、東・中・南予の地区を問わず、シードに漏れた各地区の実力校と対戦する可能性(確率)が高いことが、低い履行率の原因だと思われる。

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