平均スコアと巡り来る季節の関係とは?

 

〜平均スコアからみる9県の特徴とは?〜

9県のスコアの特徴を探る為に、通算通期、秋季大会、春季大会、夏季大会といった大会別に平均得点が大きい順に県名を並べてみました。
  • 平均得点が同じ場合には、平均得失点差が大きい方を上位としています。
  • 平均得点、平均失点、平均得失点差(得点マイナス失点)は最上段県の数値です。

 

大会名 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9
通算通期 県名 愛媛 広島 高知 徳島 島根 香川 山口 岡山 鳥取
得点 8.7 8.5 8.4 8.2 7.9 7.4 7.2 7.2 7.2
失点 2.5 2.3 2.1 2.3 2.8 2.2 2.2 2.3 2.4
点差 6.2 6.2 6.3 5.9 5.1 5.2 5.0 4.9 4.8
秋季大会 県名 愛媛 高知 広島 徳島 島根 香川 山口 鳥取 岡山
得点 8.8 8.3 8.2 8.0 7.7 7.5 7.4 7.1 6.5
失点 2.5 2.1 2.3 2.3 2.5 2.1 2.1 2.3 2.1
点差 6.3 6.2 5.9 5.7 5.2 5.4 5.3 4.8 4.4
春季大会 県名 愛媛 徳島 高知 島根 広島 鳥取 香川 山口 岡山
得点 8.6 8.6 8.4 8.0 7.9 7.7 7.3 7.3 7.0
失点 2.3 2.6 2.1 3.1 2.5 2.5 2.1 2.3 2.5
点差 6.3 6.0 6.3 4.9 5.4 5.2 5.2 4.9 4.5
夏季大会 県名 広島 愛媛 高知 徳島 島根 岡山 香川 山口 鳥取
得点 8.9 8.7 8.6 8.1 7.9 7.6 7.3 6.9 6.8
失点 2.3 2.6 2.1 2.0 2.9 2.3 2.3 2.3 2.3
点差 6.6 6.1 6.5 6.1 5.0 5.3 5.0 4.6 4.5

 

〜9県の特徴探求〜

上段数値:順位,下段数値:平均得点(平均得失点差)

■山口県の特徴
大会の平均得点をみるに、各大会とも9県の中では低位安定状態。平均得点も平均得失点差も小さいので、ロースコアのゲームが多い、接戦が多い、コールドゲームが少ないのではないでしょうか。こういう状態は、上位校と下位校の間の実力差が比較的小さい地区の特徴なのかもしれません。もうひとつの山口の特徴は、平均得点と平均得失点差ともに、秋季、春季、夏季といったように時系列順に低下していること。時間の経過とともに、攻撃力よりも投手力を含めた守備力の方が伸びているからだと、安易に結論づけていいのかどうか、あまり自信はありません。確かに、山口は伝統的に、守ってリズムを作る守備型のチームが主流なのですけどね。
  • 通算通期7位、秋季大会7位、春季大会8位、夏季大会8位
  • 秋季大会7.4(5.3)>春季大会7.3(4.9)>夏季大会6.9(4.6)

■岡山県の特徴
秋季・春季ともに平均得点が最下位の9位なのは、県大会が予選リーグを勝ち抜いたチームが集う少数精鋭(秋季16校・春季24校)の大会であるから。現に、全校が出場する夏季大会の平均得点は、3大会中トップであり、9県中6位となっています。面白いのは、大会の平均得点が出場校数の多い大会順、夏季(50数校)・春季(24校)・秋季(16校)順になっていること。出場校数が多いほど、実力差にばらつきが出てくるわけですから、ある意味当然ですね。

  • 通算通期8位、秋季大会9位、春季大会9位、夏季大会6位
  • 夏季大会7.6(5.3)>春季大会7.0(4.5)>秋季大会6.5(4.4)

■広島県の特徴
秋季・春季の大会方式は、岡山と同じ予選リーグ後の県大会というもの。秋季・春季ともに出場校数は44。岡山と同じ大会方式にもかかわらず、広島の方は秋季3位、春季5位という結果。この違いは出場校数が44で、岡山よりも多いということも一因ではありますが、上位校と下位校の実力差が非常に大きいというのが一番の要因だと思われます。このことを証明するかのように、全校(90数校)が出場する夏季大会は、平均得点、平均得失点差ともに9県中トップとなっています。もし秋季・春季大会を夏季大会のような全校が出場する大会方式に変更したなら、すべての大会で平均得点も平均得失点差も9県中ダントツのトップになることは間違いないでしょう。

  • 通算通期2位、秋季大会3位、春季大会5位、夏季大会1位
  • 夏季大会8.9(6.6)>秋季大会8.2(5.9)>春季大会7.9(5.4)

■鳥取県の特徴
通算通期の平均得点、平均得失点差ともに最下位の9位。この理由としては、出場校数が少ない上に、上位校と下位校の実力差が小さいということが挙げられると思います。不思議なのは、秋季大会や夏季大会の平均得点はブービーあたりを彷徨っているに、春季大会のみ突出していること。一体なにが原因なのでしょうか。それはさておき、9県の中で得失点差が一番小さいということは、逆に言えば一番接戦の試合が多いということ。スタンドから観戦するファンにとっては、スリリングな試合を多く楽しめるわけですから、ある意味一番観戦しがいのあるのが鳥取なのかもしれないですね。

  • 通算通期9位、秋季大会8位、春季大会6位、夏季大会9位
  • 春季大会7.7(5.2)>秋季大会7.1(4.8)>夏季大会6.8(4.5)

■島根県の特徴
平均得点の順位は、各大会とも5位前後の中位安定状態。秋季・春季・夏季大会の平均得点、平均得失点差の上下差はともに0.3とあまり波はなし。特徴がないと言いますか、中庸と申しますか。申し訳ないのですが、これといった特徴を見出すことが出来ませんでした。陳謝。

  • 通算通期5位、秋季大会5位、春季大会4位、夏季大会5位
  • 春季大会8.0(4.9)>夏季大会7.9(5.0)>秋季大会7.7(5.2)

■高知県の特徴
平均得点に関しては、どの大会でもトップはとっていないにもかかわらず、通算通期の平均得失点差は、上位の愛媛・広島を抑えてなんとトップ。あくまでもマクロ的にではありますが、9県の中で一番得失点差のある試合が多いということになります。多分、コールドゲームが9県の中で一番多いのでは。実は、大会期間中速報をしていて、高知の試合は準々決勝あたりまでどえらい大差のゲームが多いように感じていたのが、数字的に裏づけられたような気がします。高知は、毎大会上位を独占している明徳義塾を始めとするほんの一握りの上位校と中位校・下位校の差が9県の中で一番大きいのかもしれませんね。

  • 通算通期3位、秋季大会2位、春季大会3位、夏季大会3位
  • 夏季大会8.6(6.5)>春季大会8.4(6.3)>秋季大会8.3(6.2)

■香川県の特徴
平均得点が軒並み8点台の四国勢の中にあって、3大会とも7点台なのが香川。平均得点の順位、数値、時系列順に低下しているのは、山口と酷似しています。山口と同様、守備型のチームが主流なのでしょうか。香川は近年の四国大会の成績をみる限り、四国の中ではもっとも劣勢。高知や徳島のように、平均得点が高い県の代表校の方が四国大会でも甲子園でも好成績を残しているような気がします。得点力イコール打撃力、得点力イコールチーム力だからなのでしょうか。

  • 通算通期6位、秋季大会6位、春季大会7位、夏季大会7位
  • 秋季大会7.5(5.4)>春季大会7.3(5.2)>夏季大会7.3(5.0)

■愛媛県の特徴
夏季大会の平均得点のみ広島にトップを明け渡しているものの、通算通期・秋季・春季大会は、他県の追随を許さずトップ。愛媛の一番の特徴は、3大会の平均得点、平均得失点差ともに上下の差が0.2と小さいこと。つまり、3大会の平均スコアがほとんど同じなのです。推察するに、コールドゲームの数なんかも同じくらいなのかもしれないですね。得失点差とコールドゲーム数の相関関係を調べるのも面白いような気がします。

  • 通算通期1位、秋季大会1位、春季大会1位、夏季大会2位
  • 秋季大会8.8(6.3)>夏季大会8.7(6.1)>春季大会8.6(6.3)

■徳島県の特徴
すべての大会の平均得点は、すべて8点台。その中でダントツに大きいのが、春季大会の8.6。徳島の場合、春はコールドゲームが多発する荒れた大会になっているのでしょうか。他には、これといった特徴を見出すことができませんでした。陳謝。

  • 通算通期4位、秋季大会4位、春季大会2位、夏季大会4位
  • 春季大会8.6(6.0)>夏季大会8.1(6.1)>秋季大会8.0(5.7)

 

〜「コールド試合率・延長試合率」に関する薀蓄〜

表題の件で、以前「高校野球見聞録」にて記述したものがあります。
お時間があれば、ご覧になってください。

 

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