徳島いのたににて
松山インターから川之江ジャンクションを経由して、はるばる徳島へやってきた。走行距離約200キロ。到着時刻は午後3時前。松山インターには午前11時くらいに入った記憶があるから、所要時間は4時間か。法定速度80キロ前後でトロトロと走りSAでのんびりしたので、まあこんなもんでしょう。
徳島インターを下りて一路目指すは、徳島ラーメンの名店いのたに。場所は事前にリサーチ済み。国道11号を南に下り徳島駅の案内板を見つけたら右折して、徳島駅方面に向かう。徳島駅前の交差点を左折して直進し、眉山の麓にある阿波踊り会館前を右折して、300メートルほど行けばいのたに。まさにヤフーマップでシミュレーションした通り、迷うことなく辿り着いた。来る途中河畔に観客席が設置され、阿波踊りが盛大に演じられていたようだけど、あれは一体なんだったんだろう。知らない土地を運転するということで前方のみ注視していたため、ちらっとしか見ることができなかった。
店専用駐車場に車を停めいざ店内へ。店内は予想通り満席。順番待ちで立っている人がそこここにいる。ここのオーダー方式は、券売機で食券購入後おばちゃんに手渡すというもの。私と父親が「中華そば肉入並」、母親が「中華そば並」をオーダー。15分ほどして席が確保でき、それから5分後くらいに中華そばが出てきた。その間、店内の壁に貼られている有名人のサイン色紙をずっと眺めていた。乱筆でほとんどが解読不能だったが、「キングコングの西野」のサインだけは判読できた。多分、土曜6時30分から日テレ系で放送されている料理番組の収録で徳島に来た時のものらしい。
実は、私去年の4月に一度いのたにを訪れているのです。その後いのたにの味が忘れられず、4か月に1回のペースで電話によるお取り寄せを実行。両親もいのたにの味に魅了され、徳島に行くなら是非とも本場の味を堪能してみたいということで今日やってきたわけ。
まずはあのすき焼き色のスープから。一口目、「・・・」、首をひねる。二口目、「なんか違うな・・・」、またもや首をひねる。三口目でやっと違和感の原因が分かった。スープの温度が異常に低いのだ。とにかく生ぬるい。ラーメン屋でこんな生ぬるいスープを飲んだのは生まれて初めて。去年来た時は熱かった記憶があるから、忙しさを理由にした完全な手抜きですな。冷めたピザも不味いけど、冷めたラーメンはもっと不味い。無情にも期待を裏切られた私。不満と落胆と失望で箸もすすまない。
こんな打ちひしがれた私に、さらに追い討ちをかける情景が私の目に入ってきた。なんと私の右斜め前方に座っていた2人組のおばさんのうちの一人が、やおらタバコを取り出し一服し始めたのだ。店内に禁煙の文字はないものの、厨房とは仕切りのない狭い店内。しかも順番待ちもいるほどの人口過密状態。さらに子供も多数。こんな状況で平然とタバコをふかす神経が信じられない。店内では誰ひとりとして喫煙しておらず、冷たい視線がこのおばさんに集中していたことは言うまでない。もちのろん、私も冷たい視線を向けた中のひとり。まあここまでだったら、「ラーメン屋にアホなおばはんがいてな」くらいの与太話で済むのだが、なんとこのおばさん、浜省30周年記念ラグランTシャツを着ていたのだ。こんなモラルのない奴が同じ浜省ファンだなんて、恥ずかしいやら情けないやら悲しいやら。リップサービスとはいえ、「素晴らしいオーディエンス」と自身のファンを讃えてくれている浜省が聞いたら泣くぞ、バカタレが。
ラーメンは不味いしアホな奴に遭遇して気分は悪いはで、そそくさといのたにを後にして駐車場に戻る。ラーメンの感想を母親に話すと、母親も「スープがぬるくて不味かった」とのこと。私たち以外でも、「いのたにって評判倒れだよね・・・」という失望感を抱いた人もかなりの数いたんじゃないのかな。あの味じゃ擁護もできないね。
いのたにで二重の失望感を味わった迷路さん。目と鼻の先にあるビジネスホテルへと車を走らせたとさ。