第35番・清滝寺
第三十五番札所・医王山・清滝寺(いおうざん・きよたきじ)。
種間寺を発って清滝寺へと向かう。ずっと小道を進み春野町役場横を通り過ぎると、県道36号線に突き当たる。そして、ここを左折。ここら辺りから国道56号線に至るまでの道を、通称「あじさい街道」と呼ぶらしい。道路左横には並行して流れる農業用水路。水の流れが速くて綺麗。その用水路脇には、あじさいが植えられている。私たちが来た時期はあじさいの花が咲くには少し早かったため、艶やかな光景を見ることができなかった。実は、私このあじさい街道を通るのはかれこれ4回目くらい。野球が好きで西武の春季キャンプを見学に行った際、いつもこの道を通っていたのです。残念ながら毎度春まだ浅い2月頃来た為、あじさいの花は見たことがないのですけど。いつの日かあじさいの花が咲き乱れる梅雨時期に訪ねてみたいな。
さて、清滝寺へのアクセスは、高知県のお寺の中ではもっとも過酷。土佐市内のバイパスに案内看板があり、途中までは快適そのもの。ある分岐点にさしかかると、お寺の誘導員と思われる人物が進行方向を指し示している。指示通り進むと、農道が出現。この農道の道幅たるや、対向車が来たら完全にアウト。それどころか一台でも運転操作を誤ってしまうと、確実に脱輪してしまうくらいの狭さ。その上、今日は雨上がりときている。雨上がり決死隊の覚悟で、エンジン音響かせて上っていく。ギアは常時ロー。想像を絶する急カーブの個所では、一度ではハンドルが切れず、再度ハンドルを切り直してリスタートしたことも。運転中一瞬たりとも油断ができない。なんとかお寺にたどり着いたが、相当長い時間運転していたような気がする。実際には20分もかかっていないのだろうが。
境内はお遍路さんで賑わっており、私たちの到着後も続々と車が上がってきている。到着して分かったのだが、対向車が来なかった理由は往路と順路で一方通行を実施していたから。それで分岐点に誘導員がいたのだ。しかしよくよく考えてみると、今回の一方通行は人手が予想されるゴールデンウイーク用の特別措置に違いない。人件費がかかるから、常時誘導員を置いておくわけにもいくまい。通行規制していない日は、大丈夫なんだろうか。なんて、部外者が心配してもどうなるわけでもないのだけどね。
そうそう、このお寺には10年前の第一次遍路行で来たはずなのに、まったく記憶から欠落している。10年一昔とはいえ、道路状況は今とそれほど変わっていないだろうから、どえらい苦労し難渋してたどり着いたという記憶が少しは残っていてもおかしくはないはずなのに。何故なんだろう、分からない、ミッドナイト・ブルートレイン。もうひとつ分からないといえば、境内の一角にちょこねんと鎮座しているお坊さん像は一体何者なのだろう。これまた、分からない、ミッドナイト・ブルートレイン。
雨を喜ぶかえるの大合唱が境内に鳴り響く中、二つの疑問に答えを見出すことができなかった迷路さんとその一行。次に目指すは、土佐市宇佐町の青龍寺。距離にして約18キロ。行くぜ!