高知酔鯨亭 |
サンルート高知には、午後5時過ぎに無事到着。徳島と同じく、私がシングルで両親がダブルを予約済み。今日は同じ2階が割り当てられたので、コミュニケーションが楽だ。ホテルと客室の利用方法を一通り両親にレクチャーした後は、今回の四国旅行の目玉とも言うべき土佐料理を食べに行くことにしている。 午後6時にフロントで待ち合わせ。母親の足が弱いのでタクシーで行くことも考えたが、ワンメーターにも満たない距離はあまりにも失礼ということで、土佐電鉄の路面電車で行くことに変更した。高知駅まで数百メートルなれども、足の弱い母親にとっては結構つらい距離らしい。なんと言っても今回の遍路行においてはお参りは一切せず、便所に行く時くらいしか車から出ていないのだから当然か。とにかくその歩みのノロさといったら、『カタツムリ』や『ナメクジ』といい勝負。ここ数年での体力の低下ならびに足腰の衰弱ぶりは目を覆うばかりだ。「親孝行したい時に親はなし」って諺には以前はピンとくるものはなかったが、ここ最近は衒いもなく「そうその通りだよな」と素直に受け入れることができるようになったのだから不思議だ。 目指すは、高知駅前駅から3つ目の駅であるはりまや橋駅。乗車時間は約5分、運賃は190円也。今日私たちが土佐料理を食すのは、停留所から3分の距離にある「酔鯨亭」というお店。ネットで事前にリサーチしており、主なメニューとそのお値段はインプット済み。 >酔鯨亭 テーブル席に案内されてまず第一弾としてオーダーしたのが、「かつおのタタキ」3人前、「鯨の特選盛り」1つ、「ビール中ジョッキ」2つ。かつおのタタキは一切れが分厚く、スーパーで売っているものの3倍くらいの厚さ。ニンニクとネギの薬味を巻きつけ、ポン酢味のタレをつけて食べると絶品。脂がのっていて美味い。それに比して、鯨の方はイマイチだったかな。私が小さい頃はうちの家でも鯨料理は珍しくなかったけど、それほど美味しかったという記憶はない。父親なんか戦後の食糧難を鯨肉で乗り切った世代だから、鯨に対する想いは相当強いものがあるようで、鯨料理をどえらい楽しみにしていたようだ。「美味い」や「旨い」を連発し、ポンポンと舌鼓を打っている。特に鯨のベーコンがお気に入りのよう。私はチャーシューや角煮や鳥皮など脂身系の食物が嫌いなので口もつけなかったけど、あんなのどこが美味しいのかまるっきり理解できない。 第一弾の料理を食べつくした後、第二弾をオーダー。オーダー内容は、「かつおのタタキ」1人前、「鯨の串カツ」1人前、「鯨刺身」1人前、「ビール中ジョッキ」2つ。タタキには感動させられたため再度オーダー。他の2品は父親の希望。料理が美味しいので、ビールがどんどんすすむ。串かつの肉は安いスジ牛肉のようで、かたくて食べられたものじゃない。噛むことが億劫な性格の私としては、本当にノーサンキュー。歯がほとんどない母親は当然のことながらスルー。歯が丈夫で健啖な父親だけがバクバクと食べている。70歳を超えたいいジジイなのに凄いぜ。刺身はさすがいい肉を使っているようで、柔らかくておいしく頂きました。食感と味は、馬刺しといった感じかな。途中で二人して、3杯目のビールをオーダー。車の運転をしなくていいので、気兼ねなく飲める。 締めの第三弾はご飯ものをオーダー。「かつお茶漬け」2人前、「鯖寿司」1人前、「しじみの味噌汁」1人前、「マンボウのから揚げ」1人前。ご飯ものはどれもはイマイチだったが、物珍しさで注文したマンボウのから揚げは完全な失敗。イカのてんぷらと同じ食感で、味はイカよりも数段不味い。あー、注文して損した。私としてはタタキとビールを再度オーダーしたかったのだが、明日のことを考えて自重することに。元来胃が弱い体質だし、病み上がりでもあるからしょうがないな。 店には結局1時間半ほど滞在し、お勘定は2万円弱ぐらいだったはず。久しぶりに美味しいものを食べビールをそこそこ飲み、両親の笑顔が見れて楽しかったかな。こうして土佐の夜は過ぎていったのでした。 |