バットとボールを使い、同じルールでプレーするのですから、野球スタイルそれ自体にそれほど差はないように思います。両県の野球事情で対照的なのは、球場の広さの違いです。山口は新球場が多く、両翼100mクラスの広い球場がほとんど。愛媛は、松山市営球場を筆頭に老朽化した狭い球場が大多数。特に、松山市営球場は両翼90mぐらいしかなく、高校野球でもホームランが量産される球場ということで有名です。球場の広さの違いが要因かもしれませんが、両県の1試合平均得点(両チームの合計得点)が山口・9.8点なのに対し、愛媛・11.4点と約2点違います。新聞などの試合結果を見ていても、愛媛の場合、西条ひうち球場(この球場は最新設備を持ち広い)以外の球場で多くのホームランが出ていることに気づきます。山口など、各大会を通じてのホームラン数は常時一桁台なのに対し、愛媛は2桁台なのは確か。(20本に近いのでは?)両県のチーム数は60と61だから、試合数は1試合しか違わない勘定。愛媛ではホームランがいかに多いか、いかに出やすいかが分かるかと思います。これは、両県の高校のパワーの差によるものではなく、前述したように球場の広さ(約5m〜10mの差)が大きく影響しているのは確実。しかし、この7月にナイター設備のある広い「坊っちゃんスタジアム」がオープンする。この夏季大会から使用するらしい。このため、今年の愛媛大会のホームラン数は激減するのではないか。その分、3塁打が増えスリリングなプレーが見られそうだ。愛媛の監督さんも、坊っちゃんスタジアムでの試合を念頭に入れて、中継プレーなどの守備練習に時間を割いているという。球場の広さというのは、プレースタイルにそれほど影響を与えるということだろう。このことは、プロ野球界でも、中日やダイエーで実証済み。愛媛の高校野球が変化するのだろうか。大変興味のあるところだ。
もう一つの対照的なことは、学校の応援姿勢の違い。愛媛の場合、松山市内校が地元の松山市営球場で試合行う時の応援風景は圧巻。全校応援なのかどうか分からないが、応援スタンドは人また人の海。その数はを優に千人を超す。ブラスバンドもパフォーマンスつきで見ていて楽しめる。「野球どころ」愛媛はさすがという感じ。一方、山口の方は、決勝戦でも全校応援は稀、ほとんど皆無と言っていい。主に1・2年生のみの応援で、規模千人には遠く及ばない数百人程度。なにか、さびしい気がする。
私は、山口と愛媛の高校野球を比較してみて、以上の2つの大きな違いを感じた訳なんですが、上記の項目別に比較結果を記述してみました。中には、くだらない項目もありますが、結構おもしろいです。是非、クリックしてみては。(著者より)
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