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待合所はおばちゃんたちのサロン?
山口県岩国港と松山三津浜港を高速船で結ぶ航路は、通称・城下町ラインと呼ばれています。山口県周防大島の伊保田港は、その航路の途中寄港地です。その港内にあるのが、写真に写っている乗客の待合所。1日6便の運行なので、切符の販売や乗降作業などは地元のおばちゃんに委託しているようです。私がここを訪ねた時も、近所のおばちゃん連中がベンチに座って声高に世間話をしていました。乗客の待合所というよりも、地元のおばちゃんたちのサロンのようでした。
 
今は昔?
山口県周防大島の伊保田港は、周防大島に橋が架かるまで、山口県柳井港と愛媛県・松山三津浜港をフェリーで結ぶ航路の途中寄港地でした。橋が架かると、フェリーは伊保田港には寄港しなくなりました。このスナップに写っている赤色の施設は、フェリーが寄港していた当時の着岸桟橋です。寄港しなくなった今では、無用の長物なのですが、往時が偲ばれて哀愁を感じますね。
 
真打登場!
高速船が夕闇迫る伊保田港に波を切って入港してきました。「真打登場!」といったところでしょうか。船体は小さいですが、岩国−松山間を1時間25分で走る快速の持ち主です。名前は「サザンセト」。波のない日は、快適な船旅が楽しめるのですが、波が高いと揺れが激しくて船酔いしてしまいます。船に弱い方はご注意を。因みに、松山三津浜までは41分、岩国までは44分です。
 
お見事着岸!
高速船が浮き桟橋に見事着岸しました。体操で言えば、「10点満点の着地」といったところでしょうか。さすがプロですね。でも、乗船する人は一人もおらず、下船した人がたった一人。採算は合うのでしょうか。他人の事ながら心配になってしまいました。でも、高速船は横から見てもかっこいいですね。
 
釣れますか?
周防大島伊保田港は、高齢化率日本一の町・東和町にあります。そこの岸壁で釣りをしているじいちゃんとばあちゃんたちがいました。この光景を、アーネスト・ヘミングウェーの「老人と海」ならぬ「老人と釣り」とでも表すればいいのでしょうか。私は、じいちゃん・ばあちゃんのところに行って、「釣れますか」と尋ねると、じいちゃんは「釣れんのう」と答えてくれた。「じいちゃん、長生きしなよ」と私は心の中で呟いた。
 
カジキマグロじゃないですね
じいちゃん・ばあちゃんが釣りをしているのを、10分くらい見学していたのですが、余り釣果は芳しくないようでした。このスナップは、ばあちゃんが魚を釣り上げた瞬間を撮ったものです。魚が余りにも小さいアジだったので、よく分かりませんね。決して、めだかではありませんよ。ヘミングウェーの「老人と海」の主人公の漁師の老人は「カジキマグロ」を格闘の末釣り上げたのですが、この「老人と釣り」の主人公の老人は「カジキマグロ」ではなく「小さなアジ」でした。この場合、小説の方が奇なりでした。