高校野球界の巷説をデータをもとに検証

〜前 説〜
NHK高校野球の実況中にアナウンサーの「大会の中で一番面白いのは準々決勝ですね」というコメントを聞いたことがないでしょうか。私は毎大会アナウンサーのこのコメントを聞いているような気がします。
天下(?)のNHKのアナウンサーが言うのだから嘘偽りはないと思っているのですが、NHK受信料の不埒な徴収と紅白歌合戦の不明瞭な選考基準に日頃から不満を抱きNHK不信に陥っている私は、アナウンサーのいう「大会の中で準々決勝が一番面白い」というコメントの真偽について敢えて検証してみたいと思います。
もしアナウンサーのコメントが正しいならば、今後私は受信料の徴収の時精一杯の笑顔で支払いますし、ここ何十年も観たことがない紅白歌合戦も初めから終わりまで正座して観て、視聴率のアップに貢献します。

 

 
  • 甲子園大会は00年度夏と01年度春の2大会の成績
  • 四国4県と島根・鳥取県は97年度から01年度春季大会までの秋春夏の14大会の成績
  • 山口県は97年度から01年度春季大会までの秋春夏に会長大会を含めた18大会の成績
    ※補足説明
  • 甲子園大会の検証データが2大会と少なくてすみません。
  • 各県大会でスコアが不明な試合が数試合あった為、その分はデータから除外しました。
 
  • 1R:1回戦,2R:2回戦,3R:3回戦
  • QR:準々決勝,SR:準決勝,FR:決勝

 

 
以下は検証ミクロ分析編の元になるデータです。参照してくださいね。

〜回戦別得失点数一覧表〜

※カッコ内の数値は試合数です。

回戦 甲子園 高知県 香川県 愛媛県 徳島県 山口県 島根県 鳥取県
FR 18-12
(2)
76-32
(14)
105-47
(14)
121-41
(14)
106-53
(14)
102-53
(18)
129-48
(14)
85-52
(14)
SR 26-14
(4)
250-59
(28)
187-52
(28)
211-85
(28)
180-77
(28)
217-93
(36)
191-81
(28)
175-74
(28)
QR 41-24
(8)
437-116
(56)
363-122
(56)
431-178
(55)
445-147
(56)
423-142
(72)
385-153
(56)
412-166
(55)
3R 102-33
(16)
129-41
(16)
769-261
(112)
1066-301
(132)
794-265
(112)
1001-337
(144)
922-339
(111)
***-***
(***)
2R 216-94
(32)
1122-274
(128)
1734-469
(224)
2421-616
(264)
1996-471
(216)
2102-663
(288)
1972-669
(224)
810-279
(109)
1R 134-45
(19)
1347-340
(165)
578-156
(71)
3015-806
(312)
574-131
(55)
3974-1097
(484)
871-316
(109)
1101-346
(138)

 

〜回戦別平均スコア一覧表〜

※カッコ内の数値は得点差です。

回戦 甲子園 高知県 香川県 愛媛県 徳島県 山口県 島根県 鳥取県
FR 9.0-6.0
(3.0)
5.4-2.3
(3.1)
7.5-3.4
(4.1)
8.6-2.9
(5.7)
7.6-3.8
(3.8)
5.7-2.9
(2.8)
9.2-3.4
(5.8)
6.1-3.7
(2.4)
SR 6.5-3.5
(3.0)
8.9-2.1
(6.8)
6.7-1.9
(4.8)
7.5-3.0
(4.5)
6.4-2.8
(3.6)
6.0-2.6
(3.4)
6.8-2.9
(3.9)
6.3-2.6
(3.7)
QR 5.1-3.0
(2.1)
7.8-2.1
(5.7)
6.5-2.2
(4.3)
7.8-3.2
(4.6)
7.9-2.6
(5.3)
5.9-2.0
(3.9)
6.9-2.7
(4.2)
7.5-3.0
(4.5)
3R 6.4-2.1
(4.3)
8.1-2.6
(5.5)
6.9-2.3
(4.6)
8.1-2.3
(5.8)
7.1-2.4
(4.7)
7.0-2.3
(4.7)
8.3-3.1
(5.2)
***
(**)
2R 6.8-2.9
(3.9)
8.8-2.1
(6.7)
7.7-2.1
(5.6)
9.2-2.3
(6.9)
9.2-2.2
(7.0)
7.3-2.3
(5.0)
8.8-3.0
(5.8)
7.4-2.6
(4.8)
1R 7.1-2.4
(4.7)
9.4-2.1
(7.3)
8.1-2.2
(5.9)
9.7-2.6
(7.1)
10.4-2.4
(8.0)
8.2-2.3
(5.9)
8.0-2.9
(5.1)
8.0-2.5
(5.5)

 

甲子園大会と各県のスコアを回戦別に分析してみました。

〜点差別回戦分布表〜

※カッコ内の数値は回戦毎の平均得点差です。

点差 甲子園 高知県 香川県 愛媛県 徳島県 山口県 島根県 鳥取県
8.0〜         1R(8.0)      
7.0〜
7.9
  1R(7.3)   1R(7.1) 2R(7.0)      
6.0〜
6.9
  SR(6.8)
2R(6.7)
  2R(6.9)        
5.0〜
5.9
  QR(5.7)
3R(5.5)
1R(5.9)
2R(5.6)
3R(5.8)
FR(5.7)
QR(5.3) 1R(5.9)
2R(5.0)
FR(5.8)
2R(5.8)
3R(5.2)
1R(5.1)
1R(5.5)
4.0〜
4.9
1R(4.7)
3R(4.3)
  SR(4.8)
3R(4.6)
QR(4.3)
FR(4.1)
QR(4.6)
SR(4.5)
3R(4.7) 3R(4.7) QR(4.2) 2R(4.8)
QR(4.5)
3.0〜
3.9
2R(3.9)
FR(3.0)
SR(3.0)
FR(3.1)     FR(3.8)
SR(3.6)
QR(3.9)
SR(3.4)
SR(3.9) SR(3.7)
2.0〜
2.9
QR(2.1)         FR(2.8)   FR(2.4)
1.0〜
1.9
               

 

〜データダイジェスト〜

※カッコ内の数値は回戦毎の平均得点差です。

項目 甲子園 高知県 香川県 愛媛県 徳島県 山口県 島根県 鳥取県
最少得点差
回戦
QR(2.1) FR(3.1) FR(4.1) SR(4.5) SR(3.6) FR(2.8) SR(3.9) FR(2.4)
最大得点差
回戦
1R(4.7) 1R(7.3) 1R(5.9) 1R(7.1) 1R(8.0) 1R(5.9) FR・2R(5.8) 1R(5.5)
最大・最小
得点差
2.6 4.2 1.8 2.6 4.4 3.1 1.9 3.1
QR
得点差
2.1 5.7 4.3 4.6 5.3 3.9 4.2 4.5
QR得点差
順位 (昇順)
1番目 3番目 2番目 2番目 4番目 3番目 2番目 3番目

 

「面白い試合」というのを「点差が均衡した試合」と定義するならば、甲子園大会に限っては準々決勝の点差は2.1で回戦中一番小さいので、NHKのアナウンサーが指摘しているように「準々決勝が一番面白い」ということになります。
県大会レベルでは、決勝や準決勝に点差が均衡した試合が多いという結果が出ました。甲子園大会は県や地区予選を勝ち抜いた選り抜きのチームが出場してくるので、大会を通して競った試合が多くなるのは当然ですが、どうして決勝や準決勝よりも準々決勝に点差の均衡した試合が多いのでしょうね。不思議ですね。
以下はあくまでも推測ですが、確かに1・2・3回戦を勝ち抜いて準々決勝に進出してきたチームばかりですから、チーム力も拮抗していると思われます。もっと戦力的に次元が高いと思われる決勝や準決勝より均衡した試合が多いのは、とにかくこの試合に勝とうと無欲で戦っているからなのでは。準決勝以上になると頂点が見えてきて、雑念や欲が出てきて固くなり、本来の力が出せず大敗するケースがあるからではないでしょうか。モチベーションとか平常心という精神的部分って重要な気がします。

 

 
最少得点差回戦の準々決勝(2.1)も最大得点差回戦の1回戦(4.7)もすべて最小。県や地区予選を勝ち抜いてきたチームばかりが集う大会だから点差が均衡した試合が多いのも当然ですね。
 
最大得点差回戦の1回戦(7.3)と最少得点差回戦の決勝の得点差(3.1)の差が4.2と徳島の4.4につぐ大きさ。そして準々決勝の得点差5.7は最大。点差が3点台は決勝のみ。他の回戦は軒並み5点台を超えています。ほとんどが明徳義塾・高知高校・高知商業の3強同士の対戦であると思われる決勝戦のみ好ゲームが行われているような気がします。
 
最大得点差回戦の1回戦(5.9)と最少得点差回戦の決勝の得点差(4.1)の差が甲子園大会を含めても最小の1.8。理由はよくわかりませんが、平均という算出法による数字のマジックでしょうか。結果からいえば、1回戦から決勝まで4点以上の点差の試合がほとんどと解釈できますが、接戦が少ないのでしょうか・・・。
 
最少得点差回戦である準決勝の得点差4.5は6県中最大。最少得点差回戦の準決勝でさえ4.5の得点差ですから、全回戦を通して点差の開いた大味なゲームが多いのでしょうか。決勝の5.7という点差も大きいですね。
 
最大得点差回戦である1回戦の得点差8.0は最大。2回戦の得点差も7.0とこれまた最大。1・2回戦はワンサイドのコールドゲームがほとんどなのでしょう。得点差6点台の回戦がないのも特徴。3回戦あたりから見応えのある試合をぼちぼち見ることができるようですね。
 
1回戦から上位の回戦にいくほど点差が小さくなっていっています。準々決勝の得点差3.9は甲子園大会を除いて6県中最小。私の印象としては、準々決勝はコールドゲームが結構多いような気がしていましたが意外です。
 
準決勝が最少得点差回戦で、決勝が最大得点差回戦とは珍しいパターン。決勝ではワンサイドゲームが多いのでしょう。優勝チームと他校とは圧倒的な戦力差があるようですね。常勝・浜田のスコアが大きなウェートを占めているような気がします。
 
山口県と同様、1回戦から上位の回戦にいくほど点差が小さくなっていっています。最少得点差回戦の決勝(2.4)も最大得点差回戦の1回戦(5.5)の得点差も甲子園大会を除いて6県中最小。決勝は投手戦のような好試合が多いのでしょうか。